この度、マイクロ・ナノテクノロジー研究センターならびに
イオンビーム工学研究所西村教授のご協力を得まして、
精密分析室でもFIB断面加工を開始しましたので、ご紹介致します。
FIB(Focused Ion Beam:収束イオンビーム)装置は、
SEMやTEMの断面試料作成によく使われている装置です。
主な応用分野:半導体デバイス(太陽電池や表示発光デバイス含む)、記憶媒体、各種薄膜コーティング、異物分析などなど
主な目的:微細形成した形状や層構成の確認、不良個所や異物の解析・分析
<特徴>
●微細部分(1μm前後)を狙って、断面試料を作成できます。
SIM像を観察して、切断する場所を選択できる。
●硬いものでも切れる。切断速度は、材料の硬さに依存しません。
イオンビームによるスパッタ速度に依存します。
<欠点>
●小さな加工(観察分析面)しか、作れない。広範の分析はできない。
おおよそ、幅20μm/深さ10μm程度までと考えてください。
大きくするほど、累乗的に時間(労力)がかかります。
●加工面(観察面)には、薄いイオン照射ダメージ層が形成されます。
同時にイオン(Ga+)が打ち込まれます。EDSでGa検出されます。
加工部は、若干、加熱もされます。
法政大学では、マイクロ・ナノテクノロジー研究センター(緑町校舎)で、
所管されております。
これまで精密分析室では、
情報不足・所管・設置場所の関係から、FIBを利用しておりませんでしたが、
今年の年初から、関係の先生方、事務の方々のご協力を得まして、
利用することができるようになりました。
と、申しましても、所管はあくまでマイクロ・ナノテクノロジー研究センターですので、
精密分析室では、
・依頼もしくは立会分析としてFIB断面作成法をラインナップさせていただきます。
・装置利用(自分で使う)や操作講習は、こちらでは受付できません。
また、
・装置の一部の機能は故障中で使えません。
・TEM断面作成については、プロセスの検討中の段階です。
故障による制限はありますが、資料をご確認いただいたうえで、
ご質問、ご希望等がございましたら、高島まで、ご連絡ください。
資料へのリンクは、【SEMの部屋】(中上級者向け資料ページ:パスワード要)に掲載してあります。
(2025.09.10 高島)
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